ロタウイルスワクチン


ロタウィルスとは

ロタウィルスは胃腸炎症状を引き起こすウィルスです。生後3か月以降で初めて感染すると重症化しやすく、嘔吐、下痢、高熱が最大1週間程度続き脱水のリスクが高まります。
ロタウィルスワクチンを接種することでこれらの症状を防いだり、軽くしたりして入院が必要となるような重症例を90%ほど減らしてくれます。
ロタウィルスにはたくさんの型があるため、1回感染してもまた感染する事があります。そのためワクチンを接種しても意味がないと思われるかもしれません。しかし、ワクチンを接種することでワクチン内に含まれている型以外の型にも影響を与えて、重症化を防いでくれる作用がある事がわかっていますので接種されることをお勧めいたします。

●接種を受ける時期と間隔(接種対象年齢、回数、ワクチンの種類)
ロタウィルスワクチンはロタの型が1種類の2回接種で終了するロタリックスⓇと5種類の3回接種で終了するロタテックⓇの2種類があります。当院では、他に同時期に接種するHib、小児用肺炎球菌ワクチンとそろえて接種した方が忘れにくいと考えているため、3回接種のロタテックⓇを使用しています。生後2か月からHBV、Hib、小児用肺炎球菌、4種混合ワクチンとの同時接種を行います。
ただし、ロタウィルスワクチンはどちらも接種開始時期と接種終了時期が決まっているため注意してください。

スケジュール
(標準的なもの)
接種回数
ロタリックス
(1価)
遅くとも生後14週6日(生後3か月半過ぎ)までに1回目を接種し、生後24週(168日)までに接種を完了します。
生後24週以降は接種できません。
2回
ロタテック
(5価)
遅くとも生後14週6日(生後3か月半過ぎ)までに1回目を接種し、生後32週(224日)までに接種を完了します。
生後32週以降は接種できません。
3回

副作用

乳幼児はもともと月齢が進むと腸重積を起こすリスクが高まりますが、ロタウィルスワクチンの初回接種から1-2週間のところでそのリスクが増すという研究報告があります。そのため、月齢が早いうちに接種をすることで腸重積のリスクを少しでも低くできますので上記のように初回接種を14週6日までに受けるようにとされています。