Hibワクチン


b型ヘモフィルス・インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae : Hib)とは

まずは非常に紛らわしいのですが、毎年冬に流行するインフルエンザウィルスとHibは「別物」です。前者はウィルスで、後者は細菌ですが名前が似ています。
なぜ同じ名前かと言うと、1800年代にインフルエンザが大流行した時期に当時の研究者たちが原因菌として決定してしまいました。しかし後にインフルエンザの原因は別にインフルエンザ「ウィルス」であることが判明したにも関わらず面倒くさがって(?)かプライドが許せず(?)か分かりませんが名前を変更しなかったためこのようなややこしい事態になってしまいました。
この菌は肺炎や髄膜炎、中耳炎、喉頭蓋炎、敗血症など多彩な疾患を引き起こし時に重症化します。特に細菌性髄膜炎にかかった子どもの約66%は2歳までの児、残りの34%は2-4歳児で生後5か月頃から増えてきます。集団保育の子どもは2-3倍感染しやすいといわれています。
ワクチンが定期接種になる2013年以前は年間600人ほどがHibによる細菌性髄膜炎を発症していました。そのうち2-5%は死亡し、無事に治療できたとしても発達の遅れや運動・知能障害など脳の後遺症を30%ほどに残すなど非常に大きな問題になっていました。しかし、2013年以降は重症なHib感染症はほぼ100%近く抑制し、報告自体がありません。そのため子どものことを考えると確実に実施しておきたいワクチンです。

●接種を受ける時期と間隔(接種対象年齢、回数、ワクチンの種類)
実施年齢で回数が変わります。接種回数を減らしたい、という方がいらっしゃいますがHib感染症のリスクを考えると、その必要性は間違っていると考えて問題ありません。
そして4回目を接種することでブーストがかかり免疫を長期間維持できますので4回接種が有用です。

初回接種の月齢 接種回数 接種スケジュール
生後2-6か月 4回 4週ごとに2,3回目を実施し、3回目から大体1年後(7-13か月後)の1歳早期に4回目
生後7-11ヶ月 3回 1回目から4週後に2回目を実施し、2回目から大体1年後(7-13か月後)の1歳早期に3回目
満1-4歳 1回 1回

副作用

副反応として接種した場所の発赤、疼痛、しこりなどがありますが、接種不可基準には該当しませんので、これらがあっても次のワクチンは接種可能です。